オイルまみれのツナギを着た自動車の整備士が、車輪付きの板に乗って車の下から出てきたり、腰袋に大切な道具類を備えたニッカポッカ姿の大工さんが、真剣な眼差しで木材と向き合っていたり。腕利き職人の佇まいは、そのワークウェアと相まってとてつもなく格好良く見えます。
月光荘は考えました。それなら絵描きさんが最高に格好良く見える、絵描き専用の服を作ってみたい。では絵描きにとってのワークウェアってどういうことだろう。
・急に制作したくなった時、どんな恰好をしていても羽織ればすぐに描けて、終わったらすぐに脱げる。(アーティストにとって気分と勢いはとても大事。)
・下に着ている服が汚れないよう、充分な着丈と袖丈。
・道具類が収まりよく収納できる。
・汚れるほど絵になり、着古すほどに味が出る。
・丸洗いできる。
・絵描きならではの嬉しい機能が付いている。
・余計な装飾をすべて排除しつつ、そのまま出掛けても成立するデザイン性。
上記をすべて兼ね備えた上での機能美を追求しようとした時、服作りのパートナーとしてぜひご一緒したいと思ったのが、信念をもってオリジナルの高品質な服を制作販売しているfoufou(フーフー)さんでした。
foufouさんと試作を重ねた結果、ツナギのように機能的で、ジーンズのようにシンプルかつ丈夫で経年変化の楽しめる、絵描きのためのワークウェアがついに誕生しました。
●月光荘が考える「場」の大切さ
月光荘アトリエコートは、機能的であることを前提として、絵描きさんが一番かっこよく見えるワークウェアを考えつつ、絵描き以外のどなたにもお選びいただける服を目指しました。絵描きの服を絵描きさん以外の方々が着ることで、少しでもアートの存在を身近に感じていただき、実りあるコミュニケーションが生まれればと。
月光荘では、そのような「場」における人々の交流の中から本物のムーブメントが生まれ、新しい表現が醸造されていくという考え方を、創業時から大切にしてきました。画材を製造販売するだけでなく、様々な背景の人々が集まることのできるサロンを運営しているのもそれが理由です。
アートを通じた自由闊達な交流を。アーティストと月光荘の、二人三脚の挑戦は続きます。